茨城県つくば市内にお住まいのIさんご夫妻は、三年前に大規模な自宅リフォームを行った。きっかけは娘夫婦との同居だった。同居にあたり娘さん夫婦は建て替えを望んでいた。その家はまだ築二十年ほどだが、キッチンや浴室が傷み始めていたし、耐震面の心配もあった。もともと二世帯同居を前提とした設計ではないから、そのまま住み続けるにしても大きなリフォームが必要になる。だったらこの際、思い切って建て替えたほうがいいというのだ。
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しかし父親のTさんは建て替えに反対だった。二階に二間ある和室が空いているのだから、娘夫婦はそこで暮らせばいい。和室が気に入らなければ洋室にリフォームすればいいし、トイレが必要だというなら増築すればいい。父娘の話し合いは平行線だった。私が不用意に口を出すこともできなかった。いずれ本格的な建て替えが必要になるなら、今、やってしまおうという娘さんの主張もわかる。増改築にはたしかに経済効率の悪い面があるし、完成したときの感激も小さい。しかし一方、「この家に住み続けたい」というTさんの心情も理解できる。やはり家族でとことん話し合っていただくしかない。